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2023年



出前授業を実施しました

~「誰もが生きやすい『共生社会』について考える」~

     2023年2月8日、大阪府にある八尾市立成法中学校にて出前授業を実施しました。

「何かを施す慈善より、障がい者自身で仕事をし、         
自助自立できる環境を作ることが福祉につながる。」

弊社は、シャープ株式会社創業者 早川徳次 の障がい者福祉に対する想いを継承し、2012年度より支援学校を対象とした出前授業に取り組んできました。今回は初めての試みとして、一般校にて通常学級及び支援学級の生徒さんを対象とした出前授業を実施することができました。授業実施の背景には、「学校内あるいは将来の職場において、障がいの有無に関わらず誰にも人権があること、そこに気づくことができる力、環境を変えていける力を生徒の皆に持ってほしい。」という先生方の強い想いがありました。この先生方の想いは、弊社が早川創業者から受継いだ「障がい者自らが、自助自立をして働ける職場環境を作る」という考え方につながることから、今回新たな活動を展開することができました。

 先生方とのお打合せをもとに、授業テーマは「誰もが生きやすい『共生社会』について考える」となりました。生徒の皆さん、先生方を含むあらゆる人にとって学びやすい、生活しやすい、働きやすい環境づくりを自分事として捉えること、気づきを得ることを目的とした授業内容です。個人ワークやグループワークを中心に座学も交えながら、50分間の授業となりました。

個人ワークでは「共生社会とは何か」について、生徒さんひとりひとりが真剣に考え、その後のグループワークでは、「共生社会を実現するための取り組み」について各班で話し合いました。各々が意見を出し合い「人の意見を尊重する」「違いを認める」「正しい知識を身に付ける」など、さまざまなアイデアが行き交いました。活発な意見交換のもと、それぞれの考え方の違いにも思いを巡らせながら、一人として同じ人間がいない世界でどのように共生社会を実現すべきか、考えを深めることができていました。


また、事後学習として改めて今回の授業を振り返り、「共生社会を実現するための取り組み(成法中学校バージョン)」について各自で考え、思い思いのアイデアをまとめました。その一部をご紹介します。

 生徒さんのアイデアからは、共生社会の実現に向けてそれぞれが自分事として捉えながら、「今できること」を具体的に考えられたことが伝わってきます。

そして、受講後の生徒さんを対象に実施したアンケートでは、共生社会についての印象が授業前と授業後とで大きく変化していることが分かりました。授業前に「とても身近なこと」と答えた生徒さんが16%であったのに対し、授業後は78%と、授業を通して多くの生徒さんが共生社会を「とても身近なこと」であると感じられた結果となりました。
 生徒さんからは、「自分にもできることがあると分かり、身近に感じられた。」「自分たちひとりひとりが意識を変えていくことが、共生社会の実現につながっていくと思うようになった。」と、ご感想をいただきました。また、授業後の印象では「とても身近なこと」「身近なこと」を合わせると97%となり、今まで「共生社会」について漠然としていたものの、授業を通して具体的に考える中で、ひとりひとりに関わるもので、とても身近なことであると捉えることができたようです。

その他にも、ワークシートやアンケートにはたくさんの貴重な意見がありましたが、特に多かったのが、
という意見です。アンケート結果やご感想から、共生社会について学ぶ機会の必要性、そしてその学びの機会をできるだけ早いうちにもっておくことの重要性が伺えます。

先生方の進んだ考え方や取り組み、そして生徒さんたちの素直で柔軟な発想からは、私たちも多くの気づきや学びを得る機会となりました。「共生社会」と言葉だけを聞くと大きく感じて構えてしまいますが、ひとりひとりが知ること、意識を持つことが大きな力となるのだということを、今回の授業を通して実感することができました。また、私たちにとっても、「共生社会」の意味や、そのために何ができるのかを改めて考えさせられるきっかけとなり、本活動の意義を身をもって体感することができました。共生社会を築く一助となるよう、今後も地域と連携し社会に貢献できる活動を継続して参ります。